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Nectar

第8章 理想と現実

裕翔「大和のファンだったんだろ。何?誰でも良かった?(笑)」

愛梨「えっ…?」

裕翔「うちのメンバーなら誰でも良い?それともアイドルだったら誰でも良いわけ?」

女の子より綺麗な顔…

美しすぎる目が軽蔑の眼差しで私を見ていた。

裕翔「俺の大事な家族だ。傷付けたら許さねぇ。遊びなら今すぐ別れろ。誰でも良いなら他行け。」

言葉が出なかった。

言い返せない自分が悔しい…

確かに私は大和さんのファンで…

今私が何か言ったところで単なる言い訳にしかならなくて…

悔しくて涙が出そうだったけど、泣いたら負けな気がして唇を噛んだ。

11階に到着してドアが開くと、嬉しいのか悲しいのか、そこには大和さんが居た。

大和「あっ、祐兄!」

裕翔「お前…下りねぇの?」

大和「え?あっ、蓮の彼女?」

愛梨「私…ごめんなさいっ!」

エレベーターを下りた時に大和さんに少しぶつかって、両手の荷物を落とした。

でもそんな事どうでもよくて…

非常階段に向かって走った。

後ろからは大好き大和さんの声が聞こえたけど…

必死で階段を駆け下りた。

蓮に合わす顔がない。

裕翔さんが意地悪であんな事を言ってるんじゃないって事はわかってる。

ただ真っ直ぐで曲がった事が嫌いで、情に熱くてメンバーを愛してて…

それが裕翔さんだってファンなら誰でも知ってる。

蓮ごめんね…

嬉しそうに「紹介したい」って言ってくれて本当に嬉しかった。

でも“紹介する”と“認めてもらう”は全然違ったよ。

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