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ペコッと頭を下げる愛梨に皆それぞれ別れを惜しむ言葉をかけていた。

愛梨って特によく喋るわけでもないし、気の利いたことを言えるわけでもないのに…

すぐに人に好かれちゃうんだよね。

自分もその1人だからよく分かる。

蓮「今日はごめんな？無理言って来てもらって…」

愛梨「ハルのご飯美味しかったから全然良い。」

何故か2人きりになると、それ以上言葉が出てこなかった。

かっこ良い事でもサラッと言えたら良いのに…

エレベーターはあっという間に地上に降りてしまい、その重そうな扉を開いた。

蓮「あっ、また連絡するから！今度は…愛梨のご飯食べさせて？」

結構自然に次の約束を取り付けたつもりだったのに…

愛梨「末っ子くん…ナンパも程々にね？(笑)」

愛梨はそんな言葉を残し、僕の弁解を聞く事もなくエントランスを出て行った。

追いかけられるはずもないアイドルなこの身体…(笑)

そっか。

初めて声かけた時…

僕は本気で…必死だったけど、君から見ればただのナンパだ(笑)