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先生の秘密

第4章 ◎反撃

あたしは一つ息をついて口を開く。
「先生、夏休みはすみませんでした」
「え?」
先生は一体なんのことだ、という感じだ。
「あの…補習です。あの日から行かなくなって、ごめんなさい」
「何だそんなこと?気にすんな、別に」
そう言って頭をくしゃっとされる。
「でも本当に先生には感謝してるんです。短い間だったけど、水を克服させてもらえたし。ありがとうございました」
「ははっ」
急に笑いだす先生。
「な、何ですかっ?」
「いや、お前って律儀だよな。普段はボケーッとしてそうなのに」
「ちょっと、ボケーッとってひどくないですか!?」
また先生はケタケタと笑っている。
「…あと、先生。聞いてもいいですか?」
「何?彼女ならいないけど」
先生はいたずらっ子のような顔で言う。
「え…」
あたしは拍子抜けした。

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