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先生の秘密

第4章 ◎反撃

─元の視点に戻ります。
頭がガンガンする。
体が熱い。だるい。
朦朧とする意識の中、目を開けようとする。
「……ころ…、…きだ……」
ん……?誰かの声が…
パチッと目を開けると、あたしはベッドから転げ落ちそうになった。
「…早瀬せんせ……」
先生が、先生があたしの頭の下に手を入れて、至近距離でこちらを見つめていたから。
「野崎っ!よかった…。お前、倒れたんだぞ。熱中症で」
倒れたんだ…。
え…じゃああたし誰かに運んでもらったの…?
「誰がここまで…?」
「ん?ああ、俺。」
ああ、俺。って…!
あたし重かっただろうな…
うわー、もうやだ最悪恥ずかしい。
「野崎?」
そう言ってまた顔を覗きこまれる。頭の下にはまだ手が入ったまま。
また別の恥ずかしさが沸き上がる。
「先生っ…、近い…し、その…手…!手を…」
「ああっ…、悪い…」
先生は決まり悪そうな顔をする。
「あの…ありがとうございます。運んでもらっちゃって、看病とか」
「いや、いいよ。お前が無事でよかった」
たかが…じゃないかもしれないけど熱中症で、ここまで心配してくれるなんて
…。
あ…、補習のこと謝らなきゃ。
それとあたし…聞きたかったんだ。この間の女の人のこと。

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