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先生の秘密

第4章 ◎反撃

あたしは咄嗟にベッドから立ち上がって、保健室を飛び出した。
またこうすることでも2人に心配かけるのに……。
どうしてもあの場が辛かった。
あたしは屋上まで走った。
たどり着いて、腰を下ろす。
奈々に授業が終わったら話を…と思ったら、あたしはまだ体操服で携帯も教室だ。
…最悪。
「…もう、どうすればいいのぉ…」
勝手に溢れてくる涙。
先生から直接気持ちを聞いたことはないけど、さすがのあたしでもそれくらいわかる…。
和樹はいつも真っ直ぐ、あたしにぶつかってきてくれる。
痛いぐらい感じる思いにあたしは戸惑うことしかできなくて…。
「こんなに大切にしてもらってるのに……」
好きという感情を経験したことがないあたし。
この先も無意識に2人を傷つけてしまうのかな…。
あたしは受けることしかできないのかな…。
「苦しいよ…」
1番苦しいのはきっとあの2人なのに。
でもどうしても胸が苦しいの…。

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