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先生の秘密

第4章 ◎反撃

「ほんと、あっちー」
和樹は制服をパタパタさせている。今日はあたしの手首を掴みながら。
どこ行くんだろ…
「…あ!」
和樹が足を止めたのは、つい最近できたアイスクリームショップの前。
「暑いし、食おうぜ。半額の券もらったし」
「やったあっ♪あたし来たかったの!」
「うん、」
和樹は笑ってあたしの頭を撫でる。
「ここ、まだ?」
「待って~、選べないよ~」
そう、あたしはさっきからずっと悩んで決まらない。すごい優柔不断なんだよね。
「どれとどれで迷ってんの?」
「これー」
和樹は店員さんに声をかける。
「すいません、これとこれダブルでカップにしてください。もう1つはこれで」
サラッとそう言ってお金を払おうとする和樹。
「和樹っ、待ってよ!悪いよ…!」
黙って優しく笑う和樹。
あたし…この顔に弱いんだ……

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