テキストサイズ

ひみつの放課後

第1章 1




ウイスキーの水割りとおしぼりを持って、黒服さんに支持された3卓へ行くと、
20代後半〜30代前半くらいの若めな筋肉質の男が二人掛けのソファーに腰深く座っていた。


「はじめまして、のんです♪
お隣失礼しますっ」


男は愛想よく軽い会釈をして私を腕のなかに招き込んだ。

今日はお仕事お休みですか? とか、雨なかなか止みませんね、なんて話をしていると、私が必ず男の方から言われるのは、


「のんちゃんは、昼間は…学生? だよね?」

「そうですっ、去年まで現役セーラー服だったんですよぉ」


私は身にまとったコスプレのセーラー服の両肩をちょんとつまみ、にっこりと笑ってみせた。

男はあからさまに機嫌がよくなり、肩に回していた手を私の顔へ這わせる。

あ、キスだ。

このタイミングでいつも、私と男とのトークは終わる。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ