あたしの好きな人
第8章 新しい生命
岳人と一緒に、自分のマンションに帰って、当たり前のように、夕食を作って貰う。
何度もケータイで仕事のやり取りをしてる様子の岳人は、
本社に行く用事が出来たと、慌ただしく帰ってしまった。
それと行き違いに哲が入って来た。
相変わらず、食欲のないあたしは、何だか眠たくて眠ってしまい、
そのまま、哲とはろくに会話が出来ずに、いつの間にか朝を迎える。
会社に向かい、社長とすぐに連絡を取り、妊娠したから退職する話をした。
社長室でプライベートなことまで聞かれてしまい、結婚するわけじゃないから、
実家に行かずに、どこかで一人で暮らすことを説明する。
……そこでまた、一つの提案をされた。
横浜のチャペルに異動して、産休という形をとり、出産してから、横浜に勤務するようにしてはどうかと。
住む場所も全て、会社が援助してくれるらしい。
産休の間は給料も出るし、出産後の託児所などの用意もある場所らしい。
あたしは……すぐに了承したんだ……。