え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第1章 「僕を、きみの専属クリフェラ係にしてほしい」
「高砂《たかさご》さん、あなた、まだクリフェラ係を持ってないんですってね?」
その日の休み時間、わたしは担任の霧島《きりしま》先生に呼び出されていた。叱られているわけではない。心配されているのだ。
「はぁ、そうですけど……。でも、辛いのは昼休みくらいで……」
「そんなわけないでしょう。年頃の女の子がクリフェラ係も持たずに、充実した生活が送れるわけがないわ。何より、勉強に集中できないでしょう」
「うーん……」
わたしは曖昧な返事を返すしかできない。辛いのは女子生徒たちが次々とクリフェラ奉仕を受けているのを目の当たりにする昼休みくらいで、普段はそんなに困っていない、というのが本当のところなのだ。
「私だってもう二十八だけど、今四人のクリフェラ係を持っているわ。ま、まぁそろそろ結婚のことも考えなきゃだし、潮時だと思ってるけど……」
そう言って、霧島先生――霧島冴衣《さえ》先生はわずかに顔を赤くした。先生ほどの美人でも色々悩むことがあるんだなぁ、とわたしはぼんやり考えた。
「あなた、九重《くしげ》くんのお家にお世話になってるのよね? もし九重くんの親御さんに頼み辛ければ、私が捜してあげましょうか?」
「い、いえ! 結構です!!」
「でも、女の子がえっちな欲求も発散できずにいたら、体によくないわ!」
先生は興奮してきたのか、立ち上がって机をドン、と拳で叩いた。
「いえ! ほ、本当に大丈夫ですので……!!」
「あ、コラ待ちなさい……っ!!」
わたしは霧島先生から逃げるように職員室を後にしたのだった。
その日の休み時間、わたしは担任の霧島《きりしま》先生に呼び出されていた。叱られているわけではない。心配されているのだ。
「はぁ、そうですけど……。でも、辛いのは昼休みくらいで……」
「そんなわけないでしょう。年頃の女の子がクリフェラ係も持たずに、充実した生活が送れるわけがないわ。何より、勉強に集中できないでしょう」
「うーん……」
わたしは曖昧な返事を返すしかできない。辛いのは女子生徒たちが次々とクリフェラ奉仕を受けているのを目の当たりにする昼休みくらいで、普段はそんなに困っていない、というのが本当のところなのだ。
「私だってもう二十八だけど、今四人のクリフェラ係を持っているわ。ま、まぁそろそろ結婚のことも考えなきゃだし、潮時だと思ってるけど……」
そう言って、霧島先生――霧島冴衣《さえ》先生はわずかに顔を赤くした。先生ほどの美人でも色々悩むことがあるんだなぁ、とわたしはぼんやり考えた。
「あなた、九重《くしげ》くんのお家にお世話になってるのよね? もし九重くんの親御さんに頼み辛ければ、私が捜してあげましょうか?」
「い、いえ! 結構です!!」
「でも、女の子がえっちな欲求も発散できずにいたら、体によくないわ!」
先生は興奮してきたのか、立ち上がって机をドン、と拳で叩いた。
「いえ! ほ、本当に大丈夫ですので……!!」
「あ、コラ待ちなさい……っ!!」
わたしは霧島先生から逃げるように職員室を後にしたのだった。