え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第5章 想い、あふれる
(詩菜、詩菜……っ)
心の声で詩菜を呼ばわり、夕謡は頂点に昇り詰めた。
「――っっ」
掌の内の欲望がどくんと弾け、夕謡は吐精する。ティッシュを掴む余裕がなかったので、左の掌に白濁を受け止めた。
「詩、菜……」
汗ばんだ喉を上下させ、夕謡は愛しい詩菜の名を呼んだ。
倦怠感に襲われながらものろのろと身を起こし、後始末をする。ウェットティッシュで清拭しきれいになった手を首元へ差し入れ、皮ひもで吊るされたペンダントを取り出した。
それは夕謡の体温で曇っていたが、軽くひと拭きすると透明な樹脂に閉じ込められた蔓荊《ハマゴウ》の花が姿を現す。
――これは、幼い頃の詩菜が夕謡に贈ってくれた花なのだ。
指先で愛撫するように樹脂をなぞり、確かめる。そうしてまた、懐へと仕舞った。
それは、夕謡が詩菜を想う度に何度となく繰り替えれてきた儀式だった。
心の声で詩菜を呼ばわり、夕謡は頂点に昇り詰めた。
「――っっ」
掌の内の欲望がどくんと弾け、夕謡は吐精する。ティッシュを掴む余裕がなかったので、左の掌に白濁を受け止めた。
「詩、菜……」
汗ばんだ喉を上下させ、夕謡は愛しい詩菜の名を呼んだ。
倦怠感に襲われながらものろのろと身を起こし、後始末をする。ウェットティッシュで清拭しきれいになった手を首元へ差し入れ、皮ひもで吊るされたペンダントを取り出した。
それは夕謡の体温で曇っていたが、軽くひと拭きすると透明な樹脂に閉じ込められた蔓荊《ハマゴウ》の花が姿を現す。
――これは、幼い頃の詩菜が夕謡に贈ってくれた花なのだ。
指先で愛撫するように樹脂をなぞり、確かめる。そうしてまた、懐へと仕舞った。
それは、夕謡が詩菜を想う度に何度となく繰り替えれてきた儀式だった。