え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第1章 「僕を、きみの専属クリフェラ係にしてほしい」
グロリア=ストゥプラ学園の理念――それは、『女性が敬われ、健やかで満足して生活すれば、社会は活気づき平和になる』である。生徒たる良家の子女たちは、この理念のもとに教育を受けている。
「ちょっと見て見て、夕謡《ゆうた》さまが!!」
「え、九重くんが!?」
隣でランチを食べていた女子たちがスマホ片手に騒ぎ出す。夕謡――九重家の次男であり、わたしの従兄にして幼馴染み――の話題だ。夕謡はこの学園の三年生だが、アイドルの仕事をしているのできっとネットニュース何かで話題になってるのだろう。
しかし今回の話題は大きいようで、同時多発的にあちこちで騒ぎが起こる。男子たちまでざわめき始めていた。
「ちょっとどういうこと!?」
「引退、って……」
(引退? ……夕謡が!? あんなにアイドルの仕事で女の子たちを笑顔にしたい、って言ってたのに……)
その時ひとりの女子生徒が駆けてきて、皆に告げた。
「九重くんのリムジンが校門に……!」
わたしと依里子は顔を見合わせた。
「行きましょう、詩菜」
「え? どこへ?」
「どこって校門へ決まってるでしょう!」
わたしは依里子に半ば引きずられるようにして、校門へと向かったのだった。
「ちょっと見て見て、夕謡《ゆうた》さまが!!」
「え、九重くんが!?」
隣でランチを食べていた女子たちがスマホ片手に騒ぎ出す。夕謡――九重家の次男であり、わたしの従兄にして幼馴染み――の話題だ。夕謡はこの学園の三年生だが、アイドルの仕事をしているのできっとネットニュース何かで話題になってるのだろう。
しかし今回の話題は大きいようで、同時多発的にあちこちで騒ぎが起こる。男子たちまでざわめき始めていた。
「ちょっとどういうこと!?」
「引退、って……」
(引退? ……夕謡が!? あんなにアイドルの仕事で女の子たちを笑顔にしたい、って言ってたのに……)
その時ひとりの女子生徒が駆けてきて、皆に告げた。
「九重くんのリムジンが校門に……!」
わたしと依里子は顔を見合わせた。
「行きましょう、詩菜」
「え? どこへ?」
「どこって校門へ決まってるでしょう!」
わたしは依里子に半ば引きずられるようにして、校門へと向かったのだった。