え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?
第16章 濃厚な奉仕と、彼の欲望
「燈多《とうた》、もう出て行くの?」
「部屋を借りてあるんだ。家《ここ》には顔を出しただけだから」
「残念ね……」
明くる朝。燈多は九重《くしげ》家を出て行くことになった。もう部屋を借りてあるというのは方便だ。
伯母さまと夢芽《ゆめ》ちゃんはとても残念そうにしているけれど、こればかりは譲れない。昨夜、夕謡《ゆうた》とわたし、そして燈多の三人で話し合った結果なのだ。
九重家出て行く際、燈多は最後にだけわたしを見た。その瞳の奥の感情はわたしには読み取れなかったけれど、昨夜はわたしと夕謡にしっかりと謝ってくれた。
きっと、お従兄《にい》ちゃんは大丈夫。そう信じようと決めたわたしなのだった。
その日は夕謡とふたり揃って登校したが、昼のクリフェラは自粛した。わたしは大丈夫だと言ったが、夕謡がわたしの体をおもんばかってくれたのだ。
(わたしも――欲求に流されるばかりではいけないんだ。夕謡や依里子《よりこ》みたいに、自分をうまくコントロールしなきゃ)
人一倍性欲が強いと言った依里子も、自らの性質と向き合い、蓮路《れんじ》の助けを得て自らを制御している。夕謡を傷つけないためにも、わたしもそうならなければならない。
わたしはそう決意したのだった。
「部屋を借りてあるんだ。家《ここ》には顔を出しただけだから」
「残念ね……」
明くる朝。燈多は九重《くしげ》家を出て行くことになった。もう部屋を借りてあるというのは方便だ。
伯母さまと夢芽《ゆめ》ちゃんはとても残念そうにしているけれど、こればかりは譲れない。昨夜、夕謡《ゆうた》とわたし、そして燈多の三人で話し合った結果なのだ。
九重家出て行く際、燈多は最後にだけわたしを見た。その瞳の奥の感情はわたしには読み取れなかったけれど、昨夜はわたしと夕謡にしっかりと謝ってくれた。
きっと、お従兄《にい》ちゃんは大丈夫。そう信じようと決めたわたしなのだった。
その日は夕謡とふたり揃って登校したが、昼のクリフェラは自粛した。わたしは大丈夫だと言ったが、夕謡がわたしの体をおもんばかってくれたのだ。
(わたしも――欲求に流されるばかりではいけないんだ。夕謡や依里子《よりこ》みたいに、自分をうまくコントロールしなきゃ)
人一倍性欲が強いと言った依里子も、自らの性質と向き合い、蓮路《れんじ》の助けを得て自らを制御している。夕謡を傷つけないためにも、わたしもそうならなければならない。
わたしはそう決意したのだった。