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なつみは、うーんとしばし考えていたが、やがて
「そうだ、こういえばわかるかな？広義のセックスと、狭義のセックス」
「え？」

なつみは、国語が得意で、こんな言葉遊びが大好きだ。
なつみは、エロい言葉もたくさん発明している。
セックスのことを＜裸遊び＞と呼ぼうと中２のときに提唱し、いまや学校じゅうのエロ会話の定番に定着した。

「精子と卵子の結合を目指す行為を、狭義のセックスと定義すると」
なつみお得意の、定義論法だ。
「男女が全裸で抱き合う行為は、広義のセックスとなる」
ふんふん、今回はよくわかるとケンジは納得顔。
実は今までのなつみの論法は、さっぱりわからん意味不明だった。
「わたしがケンジとしたいのは、広義のセックスだよー♡ねえー♡ケンジ―♡広義のセックスをしようよー♡しようよー♡」

「つまり…ファック、しないということか」
ケンジが、ここで初めて知識をひけらかした。
英語では、セックスつまり狭義のセックスのことを、ファックという。結合、という意味だ。
なるほど、エロビデオでも時間の大半はファックしてないシーンだし、それもアリかなとは思う。