
僕ら× 2nd.
第10章 …---… --Shu,Ar
アルがそう言い切ったところで、俺たちはドアの向こうに神経を向ける。
程なく空気が入れ替わる。
「おはようございます。具合はいかがですか?朝の採血です」
部屋が明るくなり、点滴と反対側の腕に駆血帯が巻かれる。
不思議と痛みは感じず、カチャカチャと手際よく事が行われる。
丸椅子に座ったアルが白い壁にもたれて寝たふりをしている中、「もう少しお休みください」と、電気を消してナースは出て行った。
ベッドサイドの照明を点けた俺は白い綿花のテープをピリッと剥がして、注射針でできた穴を見る。
やっぱ今、採血したんだよな。
全然、刺された感覚がなかった…。
だけど、じわっと血液は漏れ出すから、綿花を戻して少々圧迫。
するとすぐに血は止まり。
俺の背中の出血も、もうおさまっているはずだ。
だったら今日半日くらい、動いたっていいだろう。
「果断じゃねぇよ、そういうのを狂気の沙汰ってんだ。確かに、親父さんは何か目論んでるかもしれねぇ。だけどここで、お前が注意を怠れば自滅なんだそ?俺が運転してやるから、お前は後部座席で花野ちゃんとの名残を惜しめ。その間だけは手を握ってもかまわねぇさ。但し、5分以内な?」
その時だけでも、花野ちゃんに接触できれば、もう上等だと思えよ。
程なく空気が入れ替わる。
「おはようございます。具合はいかがですか?朝の採血です」
部屋が明るくなり、点滴と反対側の腕に駆血帯が巻かれる。
不思議と痛みは感じず、カチャカチャと手際よく事が行われる。
丸椅子に座ったアルが白い壁にもたれて寝たふりをしている中、「もう少しお休みください」と、電気を消してナースは出て行った。
ベッドサイドの照明を点けた俺は白い綿花のテープをピリッと剥がして、注射針でできた穴を見る。
やっぱ今、採血したんだよな。
全然、刺された感覚がなかった…。
だけど、じわっと血液は漏れ出すから、綿花を戻して少々圧迫。
するとすぐに血は止まり。
俺の背中の出血も、もうおさまっているはずだ。
だったら今日半日くらい、動いたっていいだろう。
「果断じゃねぇよ、そういうのを狂気の沙汰ってんだ。確かに、親父さんは何か目論んでるかもしれねぇ。だけどここで、お前が注意を怠れば自滅なんだそ?俺が運転してやるから、お前は後部座席で花野ちゃんとの名残を惜しめ。その間だけは手を握ってもかまわねぇさ。但し、5分以内な?」
その時だけでも、花野ちゃんに接触できれば、もう上等だと思えよ。
