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僕ら× 2nd.

第12章 IF --Khs,Ar,Shu,R

~依田晄志side~

年度末、中央に置かれた七輪の上では、アルミ箔を座布団にお餅が寝ている。
今日は俺たちの高校卒業祝い in 第2音。

と、彼女が腕まくりで気合いを入れる。
いきなり白い腕が露出して、俺は慌てて目を逸らす。

なんだよ俺、腕ごときで…。

彼女とは何度も夏を過ごしたんだから見慣れてるはずなのに、長袖の季節にチラっと見えると、そのまぶしさにドキマギとしてしまう。。

はぁ、、俺のバカ…。


「おっし、私も闘います!」

彼女は俺がうなだれてるのにも気づかずに、小型の石臼を回し始めた。
ざりざりと回す度に黄色っぽい粉が落ちる。

へぇ、初めて見た……と、思う頭に疑問がよぎる。

「なぁ、花野ちゃん。石臼なんてどこから持ってきたの?」

「はいっ、お家でありますっ。げれんげれんと持ってきましたっ」

げれんげれん?

で、お家って自宅だろ?
持ってくる?学校に石臼を持ってくる?
七輪が音楽室倉庫にあったのも不思議だけど。

皿と箸を並べ始めた森みが手を止める。

「きな粉?花野ちゃん、本格派!」

「雰囲気上がるでしょ?だって今日はみんなのお祝いだからね!お餅つきもぺったんしたかったねー。ぺったんぺったん」

彼女の言葉に、"いやぁ?"とその場の3人は顔を見合わせた。


今年に入ってからというか、アル兄と別れてからの彼女はどこかしら力が入っていて微妙におかしい。

無理に大丈夫を装ってるのがバレバレなんだけど、それが彼女の気の保ち方ならばと、みんな敢えて突っ込みはしなかった。

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