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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

~依田晄志(コウシ)side~

いよいよ高校最終学年が始まる。
昨年秋のわりとな怪我は、後を引くことなく完治した。

高校1年から医療クラスの俺と花野ちゃんは、医学薬学系のプレ授業も基本的なところは通過して、もう必須教科のA判定も押さえてある。
高2を飛ばした居松も、この秋には決めるだろう。

朝礼のため校庭に出向いた俺たちのクラスを見つけた内記さんが、言う。

「居松ったら本当にやってのけたわねぇ。でも先パイなんて呼ばないから」

「俺は4月生まれだからなっ。こうなって当たり前なんだ。花野さんとは3ヶ月しか違わないし」

居松と同級生か…変な感じだな。

「依田先パイもよろしくお願いしますね!」

そう言う居松に笑う。

「おい。お前にそんな風に呼ばれたら俺、留年したみたい気分になるじゃないか。"晄志"でいいよ」

すると、居松は少し考えた風な顔で。

「じゃあ、昔みたいに"晄ちゃん"って呼ぶよ」

「いつの昔だよ?」

中学で出会ってから、ずっと俺は先パイって呼ばれてたけど。

「空想上の昔」

と、祐一朗は笑った。

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