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僕ら× 2nd.

第3章 俺色 --Ar,Kn

その蝶は、花野が首を揺らしても一向に逃げる気がなく。
原色感あふれる南国エリアに入っても、くっついてきた。

「蜜でもついたのかな?」

「休んでるんじゃね?それに、」

俺は周囲をキョロっと見渡す。

「蜜ならここだろ?」

と彼女の唇にキスした。

「やっ、」

「蝶しかいねぇよ…もっと…」

顔を背けようとする彼女の顎に手を添えて、甘く吸いついた。

唇が触れると更に感情が溢れだす。
好き、好き、好き、、もっとほしい。。

花に囲まれて官能の世界に入り浸ってしまいたい。

そんなわけにもいかないことは重々承知。
だけどこのまま、と思う俺の背後でカサッと音がして、仕方なしに離れる。

何だ、鳥か…。

だけど、再開すると自制しにくそうな俺。

食べたいなぁ。

繋いだ手にギュッと力を込めて、彼女と目を合わせる。

ああ、だけど今から急いで帰っても、家に着くのは16時半頃。
それからゆっくりイチャイチャなんて、できねぇ…。
門限、痛ぇよ。
ホテル、解禁してぇなぁ。

俺は花野の手をさすりながら、きっと瞳で訴えてたんだろな。
俺に身体をもたせて、うつむきがちに彼女が言った。

「…次は朝から侑生君のお家に行ってもいいよ?」

「それ、最高!」

むせかえる花の香りに包まれて、ふたり、蝶に手を振った。

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