二人のキセキの物語 MN
第52章 遠距離の二人4 潤
「二宮くん!」
俺たちが居る事に気付いてはいたものの
こそっと帰るつもりだったんだろう
大野さんに呼ばれて カズが焦って会釈する
俺の方をチラッと見た大野さんが
尚もカズの名を呼び コッチにおいでと手招きする
勿論カズに会えるのは嬉しいけど
ちょっと浮世離れしたとこがある大野さんだから、
余計な事言うんじゃないかと心配なんだよなぁ
周りのレポーター達も道を開け
どうぞどうぞと呼ぶものだから
迷った顔で俺を見てたカズも
俺が頷くのを見て 恥ずかしそうにこっちへ歩いて来た
相変わらず ノーメイクで髪もスーツもどシンプル
パッと見、一般人と変わらない格好なんだけど
それが全然気負ってない感じでカッコいいな、って思う