二人のキセキの物語 MN
第55章 背中合わせの二人1 カズ
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「いや?全然構わないけど」
懐かしい潤の声は 拍子抜けするほど落ち着いていて
長時間 連絡できずに焦ってたのは
俺の方だけだったんだ、と恥ずかしくなった
でも、その後
「イッテ!なんだよ、お前!」
思わずスマホを耳から遠ざけてしまう程の大音量
「え?誰かと一緒だった?ごめん」
そうだよなぁ
何だか 潤が俺の帰りを待ちわびてるような気がして
一刻も早く帰らないと!って
変に焦ってたけど
潤にとっては 今日もいつもと同じ普通の日
当然仕事もあるんだから 今も一人でいるとは限らないんだった