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地下アイドルの休日

第1章 フルーティ

フルーティは某県某市を拠点に活動する2人組アイドルデュオである。

テレビにはたまに出たこともあるし、ローカル放送だけどラジオの番組はいくつか持っている。

あやのんはしっかり者で、物知りで、特に日本史が好きな歴女でもあるが、ツンデレなのが珠に傷。ツンデレなのは人見知りやコミュ症によるものであるが、そこは告知もしたのでファンの間では公認のことである。

ちはるんはドジでおっちょこちょいで、ライブの度に必ず何か失敗をやらかして、でもそれが大ウケして会場を笑いに染める天才でもある。
人懐っこくて初対面の人ともかなりフレンドリーになれる、ちはるんとは対称的なキャラである。

ふたりとも20代前半ではあるが、8歳や9歳の頃からフルーティとして活動しているのでもう15周年を迎えようとするキャリアの持ち主である。

結成当初はフルーティは10人を越える大ユニットであったが、次々とメンバーがいなくなって、気がつけば最年少のふたりのデュオになっていた。

歳がひとつ、正確に言うと8歳になったばかりと9歳のおわりがけに始めているのでふたつ違う都合上あやのんがリーダーということになっている。

フルーティの名前の由来は果物とお茶で、メンバー各々が担当のお茶を持っていた。ちなみに、あやのんはオレンジティでちはるんはアップルティである。

フルーティは某県某市のアイドルユニットであるが、遠征ばかりで殆ど某市でのライブはなかったのだが、最近はお祭りやビアガーデンと地元でのライブが増えたのは嬉しいところである。

フルーティはけっこう遠くまで遠征するが、行く先々で熱心なファンがいてくれる。
中には土日であれば遠征して遠くまでも来てくれるファンもいるし、住んでる地域の近場でお祭りやイベントなどの無銭ライブを中心に来てくれるファンもいる。

アイドルのファンやおっかけというものは過激な人たちも多く、光るライトを何本も振り回してオタゲーダンスをしてみたり、過度に大騒ぎをしたりすることも多いが、フルーティのファンは騒ぐには騒ぐが、常識的な範囲で騒いでくれる人が多いので、演者としては大変やりやすいところである。

地元のビアガーデンの仕事が増えたのも、このビアガーデンは某県内を中心にいろんなアイドルを呼んでいたが、ファンがあまりにバカ騒ぎをするのでアイドルのステージがなくなったおかげでもあるのだ。

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