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『untitled』

第2章 青春18きっぷ

〈相葉side>


「……」

言ってしまった…。
つい、口走ってしまった。

「…バカじゃないの?」

「…はい…」

「お前はいいよ?勝手に一人で盛り上がって…でも二宮先輩の気持ち考えてみろよ?」

「…はい…」

体育館から教室へ戻るなかで松潤に冷静に諭される。

俺は、自分のことバカだとは思っていた。
だけど、大バカ野郎だと今、知った。

『相葉、マジで、情報処理部なんて入るの?『』

『相葉が情報処理部って…めっちゃ、笑える!』

みんな俺をからかいにくる。

「はぁ……」

「で、マジでどうすんの?部活。」

教室に戻ってきて席に座った。

「情報処理部に本当に入るの?」

「俺、二宮先輩に謝ってくる。」

松潤の言う通りだ。
あんなデカイ声でみんなに注目されるようなことをしてしまって…
二宮先輩は俺の言葉に頷いてくれたけど、とんでもない迷惑をかけてしまったんだ。

迷惑をかけたことを後悔してるというよりは、
嫌われたかもしれない。
俺の顔なんて見たくないかもしれない。

泣きそうだ…

「おい!どうしたんだよ…」

朝の占いのせいだ。
直感を信じてなんて言うから…




「松潤、運命の出会いって信じる?」

もし、本当に運命の出会いなら、
俺のこの直感が正しければ…

「俺、情報処理部に入る。」

俺は自分を、頷いてくれた二宮先輩を信じる。

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