テキストサイズ

ぜんぶ俺の物〜ケダモノ弟の危険な独占欲〜

第3章 淫らな夜





「は~疲れた。今日の御飯はなんだろ?」
「あ、お母さんからパスタと唐揚げの差し入れもらってきた」
いまだに熱の冷めやらぬ体を引きずり、私は冷蔵庫からビールを取り出すと後ろを振り返る。
「おおそうか! 義母さんの唐揚げ美味いから嬉しいよ」
ネクタイを緩める瑛人さんの顔が、途端にくしゃっと破顔する。
普段の端正な顔立ちも好きだけど、家の中でしかみせない、このしわくちゃの顔も大好きだ。
「今日は早く上がれたんだね」
私はにこにこと笑顔を作りながら、カウンターキッチンごしにビールを差し出す。すぐにストライプのシャツをたくし上げた太い腕が伸びてきて、ありがとうと受け取った。薬指には結婚指輪が光っている。
「珍しく部長が帰宅を急かすと思ったら、結婚記念日だってさ」
「あら」
大きくてゴツゴツとした手がビールの蓋を開ける。
「後輩の結婚記念日には残業させてたくせに、調子が良いよな」
そう言いながらも、さっそくビールをあおる瑛人さんの横顔は嬉しそうだ。
「あ、お先に開けてます」
瑛人さんがビールを持ったまま後ろのリビングを振り返った。
「いえいえ、お構いなく」
何食わぬ顔でソファでくつろいでいた亜貴が、にこにこと笑いながらこちらに顔を向けた。
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ