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消されたアイドル

第4章 スキャンダルの後始末

空港に降り立つ希美には、一斉にカメラが向けられ、テレビや新聞社の人間たちに質問攻めに遭遇

しかし事務所から表情を作るな― 話はするな―と言われた希美は深々と帽子をかぶり、小走りに車の待つ出口に向かった

暫くはマスコミの車が並走してきたが、運転手のテクニックに寄って交わす

後日、マスコミに向けて希美は記者会見に臨んだ

当初は事務所から渡された原稿のみを読み、質疑応答には応じない約束を事務所から言われた

だが、希美は会見を始めるなり「私は中島さんを愛してます、中島さんも私を愛してます― お付き合いをしています―」と全く用意された原稿とは異なる話を始めた

フラッシュの嵐、マスコミの記者たちからも騒ぎ始まる

希美は完全にノロケ話を展開し、質疑応答にも満面の笑みで答え、記者会見を終えた

もちろんマネージャーの雪枝も立ち会っていたが、制止は出来ないテンポ

記者会見が終わると、希美は満面の笑みで雪枝の前に戻ってきた

車に乗り込むまで雪枝は黙っていたが「希美、あんたはもう終わりよ わかる? 今から事務所に戻るから」と勢いをつけて怒鳴った

「終わり? 私は言いたいことを言っただけよ 何がいけないの?」と聞き返し、険悪な雰囲気のなか事務所のある駐車場に入り、エレベーターに希美と雪枝は乗り込んだ

そしてエレベーターのドアが開くなり、社長が仁王立ちをし待機、そのまま3人は社長室に入っていった

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