子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第7章 愛され過ぎて
さっそく準備に取り掛かる為に、資料室に行くことにする。
インテリアのデザインの資料、壁紙から、木材、材質等細かい資料が必要だ。
同じ階にある資料室は、主に総務課の資料で、デザイン開発課が使う資料室は、
もっと広くて沢山あるから、別の階に行かなくてはいけない。
鈴木くんには分かるみたいだけど、あたしは実際の材質までチェックしたいから、
一人で資料室に向かうことにした。
エレベーターに乗り込み、何人も社員が乗っていた。
振り返ると、涼くんもいた。
少し離れている距離だ。
何度かエレベーターが止まり、何人かの社員が下りて行く。
あたしはまだ上の階に行く、涼くんもまだ乗っている。
5階で止まり、二人の社員が下りて、涼くんと二人きりになった。
急に静かになり、
何か話しようと近付いて、涼くんの手が、あたしの頬を掴み、
そっと顔を持ち上げられて、
唇が重なった。
ふわりとした暖かい体温が唇に押し付けられて、涼くんの舌があたしの唇を舐めた瞬間、
エレベーターが止まり、暖かい体温がスッと離れていく。
「お陰で午後も頑張れるよ、頑張れよ愛莉」
ニヤリと笑いながら、さっそうと下りて行く後ろ姿を見て、
エレベーターの中で一人、しゃがみこみそうになった。
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