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不器用同士

第15章 初めての田村家

「まぁな」

あー、夕日に聖が映えておりますなぁ
かっこよきことこの上なし

まぁ私にももう1人木村美穂(きむらみほ)友達がいるんだよ。聖からは「アホ」って呼ばれてる
昔は美穂のことすげーいい友達だと思ってたよ?だけどさ、聖の事好きになってから「マジ何なんこいつ」って思うようになったんだよ。他の人も聖の事好きにならなくてもそう思うよ?それに私の場合多分人生初の嫉妬
まず、聖の頭を私より先に触った。あの心地よいふわふわの頭をッ!!
それに他のボディータッチも激しい。(私より少ないけど)
しかも聖の顔面偏差値が低いと言う!!そりゃ私だって前は「低いなー」と思ったよ?ただ好きになってから偏差値爆上がり中だよ!!
極めつけはこれだ!!聖の服の中を見た…こんな事があっていいのだろうかッ!!
私が美穂に聖の存在を知らせなければ良かったのだろうか…
てか聖にあだ名付けられてるとか羨ましすぎるんだけど。ほぼ名前じゃん。私なんて「お前」とか「あんた」とかだよ!?名前もあだ名もない…
好きな人に名前を呼ばれないのはこんなに苦しいものなのか…

「おい」
「え!?」
「何かあった?」
「あ、ごめん。ぼーっとしてた」
「そうか」

ん?…今心配された?…そんな訳ないか

「あ、私の家こっちだから。バイバイ」
「ああ」

畜生…父親め…一生恨んでやる…

家に着いてから私は軽く夕飯を作ってから部屋に戻ったら聖からLINE来てた

〈飯作るのめんどくせぇ…〉

聖も毎日作ってるのかな…?

《毎日自分で作ってるの?》
〈今日親出かけてた〉
《なるほど。それで、何作るの?》
〈カップ麺〉
《お湯入れるだけじゃん!!www》
〈お湯沸かすのめんどい〉
《私より簡単だと思うけどね…私自分の分だけ毎日作ってるし》
〈マジかよw〉
《保護者の飯なんて食いたくねー!!w》
〈確かに。でも意外だな〉
《私が料理できること?》
〈そう〉
《簡単な物しか作らないけどね。今日なんて野菜炒めとTKGだしw》
〈あー、それくらいなら作れるな〉
《でも、私機械音痴だからご飯炊けないw》
〈俺は炊こうと思った事すらない〉
《ま、誰だってそう思うよw》
〈俺も料理とバイトしないとなんだよな。卒業したら一人暮らしだし〉
《今度食わせてw》
〈毒入れるかw〉
《やめてよwま、私は父親の家に住むから家賃楽だなーw》

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