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本気になんかならない

第14章 夕ごはん

鍵を開けて彼を促す。

「おじゃまします」と
遠慮がちに入ってきた彼とダイニングキッチンへ。

エプロンを巻きながら炊飯器を確認して

「ご飯が炊けるまでもう少しかかるみたい。
テレビでも見てて?」

そう言って、パチンとテレビを点けたのに

「俺、何か手伝いたいな」って。

だけど、もう準備はほぼできていて。

さっき、いったん帰宅した際

パパッと準備はしておいたんだ。
あとはお湯を沸かしなおすだけで、
副菜もお醤油をかけるだけなんだ。

「もうだいたいの準備はしてあるの」

「そうなんだ。じゃ俺、タッパ洗う。
ね?手土産も持ってきてないんだから何かさせて?」

「え…。そんなこと気にしなくていいのに。
…じゃあ、お箸並べてくれる?」

「わかったっ!」

って、ニコニコで返事されて。

なんて素直で可愛いのかしら、、

前の彼氏なんて、
自分の家であるかのようにあがりこんで
そっくり返ってテレビ見ながら
「まだー?」ってせかしてきてたのに。

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