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本気になんかならない

第19章 中秋

「それはそうとさ、メグ。
もうすぐ誕生日だろ?何がほしい?」

「うーん、私ね。
和波君が持ってるようなカバンがほしい!」

「え?これ?」

メグは俺の持っていたトートを触りだす。

「そう!開けて見てもいい?」

「あ、うん」

ファスナーを開けたメグは
内ポケットなどを確認し始めた。

「私のお姉ちゃんも似たようなの持っててね
シンプルで何でも入っていいなぁって。

サイドファスナーもいいよね!
和波君は何、入れてるの?」

「そこは…」って
言いかけたときにはもう開けられていて、
じゃらっと見えたその金属にメグは笑う。

「あ、鍵だぁ。かっわいいホルダー!
お家の鍵?」

「あ、うん…」

ある女性の家の鍵…

なんて言わないほうがいいよな。

「妹さんにつけられたの?」

「え?まあ…」

無邪気に尋ねてくるメグに対し、
俺は言葉を濁すしかできなかった。

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