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本気になんかならない

第19章 中秋

「待って!」

立った北里は、俺の視界に身体を入れる。

涙のせいか、北里の瞳はキラキラと輝き
俺は刹那、魅入られる。

ヤバい、目を見たらダメだ…。

眉間にシワを寄せて
うつむく俺に、北里はねだる。

「ねぇ、お祝いに
またあのカクテルを作って?」

「そんな、突然は無理だよ」

俺はバーテンダーでもないし、
マスターだって仕事中。

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