テキストサイズ

本気になんかならない

第21章 古りゆくもの

「それとね、宮石君。
1日遅れちゃったけど、誕生日おめでとう」

パッと明るい笑顔になった小浜さんは、パチパチと目をしばたかせた。

「めでたくなんかないよ」

そう言いすてた俺は、図書室をあとにした。
間際に見た小浜さんの表情が残像となり、
返しかたが悪かったかなと
心の隅で思ったりもしたけど。

その祝福を受けるには、
俺は不似あいだと感じたんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ