テキストサイズ

本気になんかならない

第25章 春雷

「じゃあ、送るよ」

「え?いいの?」

なんて会話を交わして、並んで歩く。
さっきの料理がおいしかったなどと軽く喋って、それから。

「ねぇ、万里一空ってどういう意味なの?」

小浜さんに尋ねられた俺は、できるだけシンプルに答えたくて、少し考えて口を開く。

「世界は広くても、空はひとつにつながっていて
そういうところから
全体を見通して何事も冷静に対処するとか、
目標を見失わずに精進するとか…。

だけど俺は、そんな深い意味じゃなく、
字、そのままが好きなんだ。

万里行っても、この空は、同じ。。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ