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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

「1日に1回はあると思うよ?
さっきの看板も、佐倉の気持ちを試したんだろ?
あんなのやめときなよ」

俺がそう言うと、ビミョーな表情の副部長。

「いつもの冗談ぽく、ヘラヘラ持ちあるくと思ったのに、ね」

「あれはショックだと思うよ?
ほかの女のコと仲良くしてもいいよ、って言われたみたいで。
佐倉に浮気されたくないんだろ?」

「どうせ浮気をする気性なら、早くに知りたいわね。
抜けだせなくなってから泣きたくないのよ。
今のうちに本性明かしてもらいたい。

それに、あんな変人を相手にする物好き女子
そういないわよ」

って副部長はツンとするけど。

「…ほどほどにね」

浮気したくなくても、ヤケになっちゃうことだってあるんだし。
まあ、ふたりにしか理解できない範疇に割りこむのはこのくらいにしよ。

「ちゃんと呼びこみしてくれてるのかしら?」
と、副部長はぼやきだす。

相変わらず誰も訪れない短歌組ブースで、俺はふたたび課題に勤しんだ。

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