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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

このままだと、仮装してと言いだしかねない副部長。だから俺は話題をずらした。

「佐倉も似あってたじゃない」

今回、レポートを提出しなかったペナルティとして
佐倉は現在、民族衣装を身につけて大学構内をねり歩き、サークルのPR中。
送りだす副部長に、"僕と恋歌はじめませんか?"って看板を持たされて、バキバキに割りたおしていた。

「あんな荒唐無稽男、疲れるのよね」

「楽しそうだよ」

混じりたくはないけど、ふたりで言いあって、お互い引かないながらも絆を確かめあってるようで。

「理想と現実を比べちゃうのよね、どうしても。
私ね、もっと地に足がついてる人がいいの」

「佐倉もそのうち落ちつくんじゃない?
ここぞってときは頼れる男だし」

「その"ここぞ"が2月29日くらいでしょ?」

そんな、オリンピックみたいな…。
普段は流していた俺だけど、
ちょっと佐倉に同情した。

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