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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

「俺、百人一首って、
100プラス1首だと思ってたよ」

「あー、わかる。
俺も110番って、100当番だと思ってた」

「それはわからん」

「わかれよ」

「その電話どこにつながるんだよ?」と
笑いながら部長は室内を見渡す。

「高校で習ったような
…でも記憶の片隅にしかないや。

あ、これ、宮石の作品?
別れた彼女を懐かしむ歌?」

「いや、抜粋しただけで、定家の和歌だよ」

と言いつつ俺は、自分の名札を剥がした。

「何で?」

「何だか恥ずかしくなってきた」

自分の気持ちをあけすけに
代弁してもらっているようで

裸の自分が何を望んでいるのか
白日のもとにさらされているようで。

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