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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

そして、「言っていいのかな?」と
迷ってる感じで部長は尋ねる。

「何?」と、俺が尋ねたことで
話しだす。

「こないだ俺、電車のなかで正木を見たんだけどね」

正木?…メグか。

「ん?ああ、元気だった?」

「うん。解剖実習に行くっておびえてた」

「はは。」

勉強がんばってるんだろな。

「宮石のこと、気にしてたぞ?
同じ大学だよね?って聞かれた」

「そう」

「…よくわからないんだけど、なんで別れたわけ?
なあ。お互い、まだ好きなんじゃないの?」

別れるきっかけは
俺だろうけど

メグには彼氏がいて
俺には、いないけど、、いて。

「前に俺の言ったことは
関係ないって理解してるよな?
俺の相手は正木じゃないからな?」

と、部長は念を押すけれど
俺そんな、もうこだわってないし。

「うん、わかってるよ。
でも、もう戻れないんだ。
あれから1年も経ってるんだから
引きずっちゃないよ。忘れて?」

思わせぶりな和歌を載せた俺が悪かったけど
あまり勘ぐらないでほしー。

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