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本気になんかならない

第4章 鍵

「これすごく可愛い!」

「僕、こんなカバンほしかったんだ!」

それぞれのトートを肩にかけて、ブーツをはいて歩きまわるふたり。

「おそろい?」

帆澄は、そのカバンのファスナーを開けてなかをのぞいてる。

「色違いでおそろい。気に入った?」
と俺も自分のトートを掲げてみせる。

「兄貴と一緒!色も!」

「あ、いーな。いーな!カッコいい!」
とリィが言う。

「リィも俺たちと同色にしたら、ハニィが仲間はずれで可哀想だろ?だけど、ハニィはあのオレンジがあうと思ったし、リィのネイビーもカッコいいよ?」

そのあとでリィに、こそこそと話す。

「それに、ステッチの色がハニィとリィは対なんだ。ひそかに嬉しくない?」

「僕、これがいい!」
うっれしそうにリィは笑った。

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