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本気になんかならない

第28章 green flowers

「おともはミニドーナツ」

知りあったばかりの彼、和史さんは、たいていがおちゃらけていて

「このドーナツ、穴を残して食べるには?」

突拍子なく人を惑わせる。

「穴の成分は空気なので、残っているかは見えません。
熱が残っていれば、サーモグラフィで確認できるかもしれませんね」

「…そうきたか」

そんな彼が、さっきの一瞬だけ見せた表情が引っかかる。
今だって、どことなく神妙で。

「今夜はとことんつきあってやる」

ああ、やっぱり
断られたんだ、、彼女に。

覚悟はしていたんだ、俺も。。

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