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本気になんかならない

第28章 green flowers

「……?」

「そこ」

…何だろう?
ポソポソとした会話が耳に入ってくる。。

「寝てるの?」

喋ってるのは、和史さんと……

「ヤケ酒飲んでね」

「飲ませたの?まだ未成年なのよ?」

子ども扱いするなよ……

「ノンアル・シードル(リンゴ酒)を与えたはずなのに、
俺が風呂から出てきたら、このバカふたりが普通のシードル注ぎあってたんだ。

これから人生についてのありがたい講義を開いてやろうと思っていたのに、妙な幸福感漂わせてさ。

…起こしてやれよ?すっげ喜ぶぞ?」

「いいの。会えたから。
これ、、カッコいい…貰ってくね。じゃ」

「泊まってけば?
高3は漬けこみ中だし。
もひとりは、つぶれたら朝までだし。
ここじゃ、和君しか襲いかかる男いないだろ」

和史さんてば、俺が色魔みたいに言わない……

「こいつ、いいヤツだよ。
そんなのわかってるんだろ?
ちっさいことにこだわるなよ」

「それだけじゃないのよ……
私が来たこと内緒にしておいてね」

何の話…?

「いいのか?」

「彼のこと、よろしくね?」

ふわっと髪が撫でられた…
そんな気がした。。

「それは、どうよろしく?」

「っもう!
傷つけたら、非合法的にぶちのめすから」

「おお、怖ぇ」

「…バイバイ、和君」

懐かしい香りが過ぎて、
まどろみのうちで彼女の声を聞いた…。

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