テキストサイズ

本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

俺たちは、近場のホテルに泊まる。
きょうだいたちも一緒に。

気分転換にテレビなんて点けられない。
犠牲者何名と報じるのが、お祭りのように聞こえてしまう。
まだまだ認めたくないのに、氏名が表示されだす。

もう二度と動かないけど、死んでなんかいないんだ。
ひんやりした部屋で、棺におさまっていても
受けいれがたくて。
骨を拾ってうろたえる。

これが、あの人たち……。

あの4人は仲が良かったから、同時に逝けて、これで、良かったんだ。
なんて、自分に言いきかす。

4人、手を取りあって思い出の国へと旅立てたんだ。。と。

そして、一段落もつかないうちに帰国する。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ