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本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

「授業の妨害となったことは、すみません。
でも、通えているのなら、本人が行きたいと思っているのなら、よしとしてもらえませんか?

現に、何時間かは授業を受けられてるんでしょう?
少しずつ、だと思うんです」

そんな内容を繰りかえし説明した。

「だけど、それじゃあ学校へ来てもつらいだけですよね?
プリント学習なら、ご自宅でもできるわけですし。
幸い、前にいらした学校は、わが校より授業内容が進んでいたようですし。
体育はもともと不得意みたいですし。
ほかの生徒との関係にも影響が及びますし」

並べられたいいわけと、不得意なら参加しなくてもいいとでもいうような言いように、俺は油を注がれて。

「妹は何も悪くありません。
今でも精一杯自重してると思います。

だのに弱音を吐かずに、いっそう自分を追いこんで、ボロボロなのにほかに気を遣えと?
学校ってそんなことを強要するんですか?

はっきり言えばいいんです。
迷惑なんだから来るなって!
だけど義務教育で、こっちから言えないから察しろよって!」

売り言葉に買い言葉だろうか。。

でももう、こんな考えかたの学校なら、通わなくてもいいと思ってしまった。
勉強だけなら、俺がみてやれる。
友だちだって、リィがいる。

そう思ったとき、ノック音がして
「失礼します、宮石の保護者です」
と白峯が入ってきた。

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