テキストサイズ

本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

「あれ?時間、間違えましたかね。
先にうちのがお邪魔してたみたいで…何か粗相でもありましたか?」

俺をチラッと流した白峯は、教師を見つめた。
こわばりながらも教師が首を横に振ったので、白峯はニッコリと笑う。

「大丈夫?それは安心しました。

妹思いの良い兄でしょう?
そのせいか、ちょっと走りすぎるところがあるんですが、まあ、こらえてやってください」

そう言いながら、白峯はさし示された俺のとなりに腰を置く。

「今日は暑いですね…。
外でやっているのは運動会の練習ですか?
あんな大人数の子どもたちをまとめるなんて教員のみなさまはさすが、しっかりしてらっしゃる。

小学校の先生って、ほぼ全教科をひとりで教えるんでしょう?
会議や講習会まであるなかで、こなされているなんて…」

そして、お茶を出されて礼を述べた。

「通常でさえお忙しいのに本日は、こうやって貴重な時間を割いていただき、どうもありがとうございます」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ