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本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

家まで歩いて帰るところだと言うので、
申しでたところ
ふたつ返事で、

現在、助手席に北里。。

免許を取ったら、
彼女とドライブしたかった……

俺が描いていた甘い夢は
こんな形でかえってきた。

シートを後ろにさげて
軽くリクライニングして。

乗りこむために差しだした俺の手に
彼女は躊躇なく自らの手を添えた。

そのしっとりとした柔らかさに
そのまま握ってしまいそうになった俺は

彼女の手が離れてから、自分の手をぎゅっと握る。

彼女の手のかわりに、
そして、彼女の手の感触を打ち消すために。

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