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本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

運転席に戻った俺

「…えっと、家ってどこ?」

尋ねると、目があって
俺は急いで顔を前に戻した。

聞きだした北里の住所をナビに登録して
推奨経路どおりにクルマを走らせ始める。

と、視線を感じて
俺の全身に無駄でしかない力がこもる。

「北里。あっちの窓のほう、見てくれる?
気になって事故るから」

だって
助手席側の安全確認が、しづらい…。

また目があったら…
なんてドキドキして。。

「あ、ごめんね。和君が運転してるって新鮮で。
ついつい凝視しちゃった」

そう言って北里は、首を俺の反対側に若干向け、

それはそれで、寂しく感じてしまう俺ったら。。

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