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本気になんかならない

第31章 スクロール

そして、つぎからはマスクをつけてこようかと
思案していたとき、
こども園の副園長先生が部屋に入ってきた。

「みなさん、おつかれさまー。
子どもたちも楽しんでくれて良い会だったわぁ。

ところで、年賀状作りはもう済んだ?
来週しょっぱなには投函しますよー?」

副園長は職員一人ひとりの顏を見て声をかける。

と、先ほどのトナカイ女性がぼやいた。

「そんな、先生、無茶ですよぉ。
今日まではクリスマス会の準備でてんやわんやだったんですから。
宛名は印刷にしませんかぁ?」

「あらあら、そうねぇ。
でも、子どもたちが生まれて初めて受けとるかもしれないお年賀よ?
手書きがあったかくていいでしょ?
今日からがんばって取りくんでね。
宮石君も手伝ってくれる?」

「はい、もちろん」

「頼りにしてるわよ」

副園長は俺の前に卒園生のリストを置いて、部屋を出ていった。

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