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本気になんかならない

第32章 クリスマス会

「じゃあ、しっかりやってちょうだいね」

そう言って、副園長さんが去ってから
小一時間経ったころ。

書き終えたハガキを担当者に渡した俺は
帰ろうとして、廊下でトナカイ先生に呼びとめられる。

「宮石君。マタギキ情報なんだけど
北里さん、今夕、小川さんのクリスマス会に呼ばれたらしいわよ。
あ、小川さんって、シングルパパの小川さんね」

え?
その人って、さっきウワサにあがっていた
北里に気があるかもっていう?

だけど、他の保護者もいるだろう?
その小川家で、みんなで楽しく過ごすんだろう?

だったら、いいことなんじゃない?
保護者同士の交流の場にもなるしって、俺は思ったから。

「それがどうかしたんですか?
もしかして俺が、サンタになってサプライズしに行ったほうがいいとか?」

保護者から、そんな依頼があったのかと
いう考えに行きついたんだ。

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