本気になんかならない
第32章 クリスマス会
「北里さんも女手ひとつじゃ大変だろうし、悪い話じゃないよね。
サナちゃんも自分にパパができたら嬉しいだろうし」
「あのお父さんって、ここ10年で急成長のソフトウェアテスト会社の社長でしょ?
私、初めて本人を見たわ」
「そう。
私も、運動会のときとあわせて、今日が2回目よ。
それでね、さっきさ…」
よく聞こえるコソコソ話が続行されようとしたところで、副園長が通りかかる。
「あーら、お口は動くけど、お手々が止まってるわねぇ」
「す、スミマセンっ!」
慌てたふたりは、ハガキに付いた粉を払って、まじめに仕事をしてますと言わんばかりに動きだし、俺もハガキとペンを取った。
サナちゃんも自分にパパができたら嬉しいだろうし」
「あのお父さんって、ここ10年で急成長のソフトウェアテスト会社の社長でしょ?
私、初めて本人を見たわ」
「そう。
私も、運動会のときとあわせて、今日が2回目よ。
それでね、さっきさ…」
よく聞こえるコソコソ話が続行されようとしたところで、副園長が通りかかる。
「あーら、お口は動くけど、お手々が止まってるわねぇ」
「す、スミマセンっ!」
慌てたふたりは、ハガキに付いた粉を払って、まじめに仕事をしてますと言わんばかりに動きだし、俺もハガキとペンを取った。