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本気になんかならない

第32章 クリスマス会

その自販機で暖をとれるかと期待したのに、
そこに並ぶのは、すべてがコールドなアルコール飲料だった。

飲めば、そのうち温かくなりそうだけど
今、飲酒してる場合じゃない。

ふたたびシンとなった界隈に戻ろうとした俺は、途端に思う。

俺はいったい何をやっているんだろう。。

ここで、北里と出くわしたとして
気味悪がられるだけじゃないか。

帰ってきたことを確認して、安心したい。
そうは思っても
今夜の結果だけでは、あの男と恋仲にならない確証にはならない。

北里が、男とクリスマス会をすると聞いて、
いてもたってもいられなくて。
なのに、何をするでもなく家のまわりをうろついて

……バカだな俺。


19時をまわって凍てつきだした夜、依然と暗い窓を眺めた。

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