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本気になんかならない

第33章 告白

俺が口を閉じると、静かな空気が流れる。
これで伝わったかはわからない。

だけど、さっき俺が言った"好き"は、今までのどの好きよりも好きで。
こんなときは、テレパシーでも使えたらなって思う。
そしたら、俺がどれくらい北里を好きなのか、彼女にもわかってもらえるんだけど。

俺の告白が信じられないのか、彼女は今も動きを失って、大きな瞳で俺を見つめる。

「こんなに人を好きになったことってないから
どう言えばいいのか、思いつかなくてもどかしいんだけど。
俺は北里を好き以上に好き…大好き以上に大好きだよ」

彼女がまた、ほかの男を選ぼうとも、俺の限りを伝えたくて。

だけど、いまさらのように手が震えだし、
隠すかのように俺は、北里に触れていた手に力を込めた。
断られても、この手を、離したくなんかなくて。

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