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本気になんかならない

第33章 告白

あんまりに驚いたのか、フリーズした北里の正面で、俺は呟くように話す。

「これまで自信がなかったんだ。
北里のとなりには、もっと大人の男が似あうから、俺は学生だったから。

北里には彼氏がいて、俺は控えで、それでも会えるなら、しかたないかと思ったりもしたけど
そんな不安定な関係がつらかった。
だから、距離をおいた。

バーでは、ごめん。
泣いていたのに優しくできなくて。
ふりきるように逃げて、ごめん。

ずっと唯一の彼氏になりたかった。
一番近くにいたかった。

それを伝えたくて、和史さんに連絡を取ってもらおうとしたんだ。
あれは、何年前だったかなぁ…。
見事、フラれちゃったけどね。

北里が結婚して、出産して、幸せならそれでいいと思ってたよ…。
だけど。。

北里を目の前にすると、やっぱり俺は好きな気持ちが大きくなる。
北里が独りで泣いてるなんて嫌なんだ。

俺が幸せにしたい。俺と幸せになってほしい。
サナちゃんと3人で家族になりたい。

俺のことを考えてほしい。
ほかの男とじゃなくて、…俺との未来を考えて?」

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