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本気になんかならない

第34章 & # 9 8 2 5 ;

ドアは閉めてたし、窓も開いてなかったはず。
廊下でも階段でも人影はなかったのに…。

なんでこいつは知ってるんだ。。どこで見ていた?それとも、聞いて…?

お前、あの日はハニィと水族館に出掛けてたんじゃなかったか?

さっきと違った意味で頭がぐるぐるしてきた俺に、帆澄はしれっと答えた。

「ふたりで兄貴の部屋に入って、出てきたときには、紀ちゃんは指輪をはめていたから。
ま、俺は、ふたりっきりで何をしていたのかまでは、まったくもって知らないけど?
外出中だったし?」

知らないと言うくせに、"想像できるけど?"なんて憎たらしい表情で俺の顔を覗く。
こいつ、和史さんより油断ならない男かも。

これまでもいろいろと余計なことをしでかしてくれてるよな。

もう、聞かなくてもわかってきた。
まだやってたんだな、スパイごっこ…。

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