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本気になんかならない

第34章 & # 9 8 2 5 ;

予定時刻より2時間半早く店に到着。
和史さんは俺の渡した箱を開けながら、言った。

「おっ、やるじゃないか。うまそ」

彼はいそいそとケーキをプレートにのせて、飾りつけをはじめる。
10時の方向にお菓子の家をのせて。

「あの、、ミイラってどういう意味なんですか?」

まわりをチョコホイップで埋めていく。
やっぱり、手際がいいなぁと感心しながら尋ねた。

「ああ。ミイラの夢って吉兆らしいから。
お前、最近、心ここにあらずだったからさ、
夢にまで現れるように印象づけてやろうと思って。。
効果あったか?」

心ここにあらずなのは、彼女からの連絡がなかったせいで。
心配してくれてたのは嬉しいけど、なんか方向がおかしくない?
逆に悩んだじゃないか。。

「あれからまだ、寝てませんよ。
俺はケーキを作ってたんですから」

「オーブンで焼いてるあいだに眠ればいいだろ?」

「そのあいだは、仕事してました」

そう言うと、和史さんはケーキから顔をあげ、軽く口を開けて俺を見た。

そんな呆れること?
まだ昼間じゃないか。

正論で返してもラチがあかないと思った俺は、口をつぐむ。

「。。まじめなやつだな。
それはそうと、なんでこのケーキはハート型なんだ?」

「てっきり、誰かが婚約でもしたのかと」

サプライズなんだから自分のとは言えないけれど、この雰囲気は違う…。

「ははは!和君、意味不明~」

案の定、俺の発言は、一笑された。

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